ゆーすPのインディーロック探訪

とあるPのインディーロック紹介ブログ。インディーからオルタナ、エレクトロ、ヒップホップまで。

Disc Review : Bloc Party / A Weekend In The City (2007)

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 大都市ロンドンにおける若者の退廃と絶望、セクシュアリティレイシズム、あるいはマスメディアの煽動的報道——本作において俎上にあがるテーマをざっと羅列しただけでも、このBloc Partyの2ndアルバムが所謂ロックンロールリバイバルを牽引する一連のバンドのディスコグラフィの中でいかに特異な存在であるかはすぐ分かる。1stアルバムSilent Alarmの大成功により瞬く間にUKロックシーンを代表する存在となったBloc Party。彼らは、2ndアルバムA Weekend in the Cityで社会的諸問題に真正面から向き合い、日常と非日常の間に揺れるロンドンを、世界を、現実を、見事に描ききったのである。

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TikTokからはじめるインディーロック/オルタナティブ入門

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TikTokとインディーロックーーみるからに水と油じゃないか。私もずっとそう思っていました。TikTokは「陽キャ」の娯楽であり、インディーロックは「陰キャ」の娯楽であり、両者が交わることは決して無いと。

しかし、実はTikTokで使われる音楽は非常に幅広く、キャッチーで耳に残る曲であれば、あるいはダンス向きで振り付けしやすい曲であれば、そのジャンルを問いません。その意味でTikTokは、洋邦、古今、メジャーマイナーを問わずどんな曲でも「バズる」ことがある、とても刺激的で面白い文化的環境にあると個人的には思います。例えば、1970年代に活躍したドイツのディスコバンドBoney M.のRasputinがダンスチャレンジをきっかけに火が付き230万本以上投稿されたり、我らが花澤香菜恋愛サーキュレーションの英詞版カバーが海外から逆輸入する形で再流行したり、あるいはシティポップリバイバルの流れの中で1979年リリースの松原みきのデビュー曲「真夜中のドア」がTikTokをきっかけにSpotifyグローバルバイラルチャートの一位を獲得したりなど、数例を挙げただけでもその射程の広さはわかっていただけると思います。

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ヨルダンのインディーロックの名曲10選

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以前アラブ音楽に関する記事を書いたのですが、今回は特にヨルダンのインディーロックに注目して10曲紹介したいと思います。

何気にこのシリーズも三弾目。海外に行くことのできない今だからこそ、音楽で海外を感じて脳内海外旅行を楽しみましょう。そもそもヨルダン?どこそれ?って方も、旅行できたとして別にヨルダンには行かんわって方も、とりあえず音楽だけでも聴いていってくれたら嬉しいです。ではでは。

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インディーロック好きのためのボーカロイド名盤10選

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米津玄師、YOASOBI、ヨルシカ、ヒトリエーー今や、ボカロ発のアーティストがJポップの中心的存在となることは珍しいことではない。かつてオタク的だと表象されていたボカロ音楽は、その偏狭な文脈を脱し、ユースカルチャーへ、ポップカルチャーへと変貌している。

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2010年代ベストアルバム50選 PART5:TOP 50 ALBUMS OF 2010s [10-1]

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※PART1(50位-41位)はこちら↓

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※PART2(40位-31位)はこちら↓

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※PART3(30位-21位)はこちら↓

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 ※PART4(20位-11位)はこちら↓

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やっと仕上がりました…

だいぶ空いてしまいましたが、10年代ベスト最終回のトップ10です。

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