ゆーすPのインディーロック探訪

とあるPのインディーロック紹介ブログ。インディーからオルタナ、エレクトロ、ヒップホップまで。

Live Report:Arctic Monkeys Japan Tour 2023 @Tokyo Garden Theater

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行ってきました。2011年のフジロックでも2014年のサマソニでも縁がなかったので、実は初のアクモン。

個人的にはAM以前のアクモンが好きで、特に好きなのが3rd、4th期という自分にとって、実をいうとAM以降のアクモンには正直ピンときていませんでした。

さて、そんな私でしたが、いやはや、前言撤回。見事に映えるThe Car、Tranquility〜の楽曲たち。音源を聴く限り印象の薄かったThere'd Better Be A Mirrorball、Body PaintやOne Point Perspectiveといったミニマムなナンバーも、重低音がどっしりと響くバンドサウンドを体感して、改めて素晴らしい楽曲であることを再認識。特にFour out of Fiveは見事なアレンジで、音源で聴いた時とだいぶ印象が違いました。

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(オープナーSculptures Of Anything Goesのワンシーン。カッコ良すぎるぞアレックスターナー。)

アレンジという意味では現行のモードに合わせてガラッと曲調を変えた505が一番象徴的でしたが、その他Don't Sit Down〜やPretty Visitorsなど、AM以前の楽曲たちは特に大きくスタイルを変えているわけではないのにもかかわらず、不思議とThe CarやTranquility〜の雰囲気と見事にマッチしており、1stから最新作までバランスの良いセトリでありつつ、全体として見事にまとまりのある構成に仕上がっていたように思います。その意味で、アクモンというと(特にAM以降については)アルバムごとに音楽性のスタイルをガラッと変える「変化」のバンドだと謳われることが多いですが、ライブという側面から鑑みるに、実のところバンドの根幹的な部分はそんなに変わっていないのかもしれないと思ったり。

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(Do I Wanna Know?中の一幕。ライブハウスのキャパシティで観れるのは本当に貴重だと改めて実感。)

じゃあその「根幹」とは何かというと、今回ライブを見て、他でもない、「AM」で確立させたスタイルなんだろうなと感じました。その意味で、彼らが恐れず「変化」を続けられるのはAMという根幹、いわば帰る家があるからなのかもしれません。ライブを通して、AM以前の軽快なロックナンバーはより重厚に、AM以降の内省的なラウンジミュージックはよりダイナミックに演奏されており、AM的なスタイルが一貫してベースにあったように思います。

本ツアーのセトリをみていると、The View From The Afternoonをちょくちょく演っていたので、ひそかに期待していたのですが今回は(羽田、大阪含め)セトリに入りませんでした。またいつか聴ける日を期待する一方、次回来日頃にはDancefloorすらセトリ落ちするんじゃないかとか思ったり。いずれにしろ、AM以降のアクモンの素晴らしさを再認識することができました。The Car、Tranquility~をもっと聴きこもう。