ゆーすPのインディーロック探訪

とあるPのインディーロック紹介ブログ。インディーからオルタナ、エレクトロ、ヒップホップまで。

2022年ベストソング50選:TOP 50 TRACKS OF 2022 [1-50]

ちょい遅れましたがいつものやつです。

昨年同様音楽をきちんと聴く時間は減っていくばかりで、ベスト50と銘打ってはいるものの、60~70曲の候補から50曲を選曲しているという意味では単に今年聴いた曲をリスト化したもの感は否めないところです。

今年は新しくこのジャンルを聴くようになった!と特筆することもなく、基本的にはこれまでの好みと同じような曲を聴いていました。まあ強いて言えばVTuber音楽?がそれにあたるかもしれません。特に今年は兎にも角にもピーナッツくんばかり聴いていました。(勢いでクリスマスに発表された刀ピーOVERDOSEを年ベス1位にしたかった自分がいることは内緒。)で、これにあわせてVTuberの配信とかを見るようになったので、これも音楽を聴く時間が減ってしまった要因の一つかもしれません。

なお、VTuberの音楽については以下の記事でまとめているので気になった向きは是非。↓↓

indiemusic.hatenadiary.jp

indiemusic.hatenadiary.jp

と、若干ステマさせていただいたところで、以下、ランキングです。昨年同様、ランクキングの高い順(1位~)に並べています。トップ9までは元気があったので簡単なコメントを付しています。表記は「左(曲名)/ 右(アーティスト名)」。ではでは。

f:id:vordhosbn:20230109113617j:image

 

1.  peanut phenomenon / PAS TASTA & ピーナッツくん

f:id:vordhosbn:20230108124723j:image

そもそもポップがなければポップを壊すこともできない。カルティックなMVも、ドロップ部分の祭囃子も、サビのこれぞハイパーポップなノイズまみれの叫び声も、その根底にあるのがまっすぐなポップミュージックであるからこそ真価を発揮する。「ぼくはフェノメノン」=現象であるというピーナッツくんの出自を多分に意識した歌詞は、カント的認識論を通じてハイパーポップの何たるかに接続する。そこにあるのは主体なきコラージュの集積体でありながら他でもないポップミュージックの深い理解者として振舞う、ハイパーポップの想像力だ。


2. Part of the Band / The 1975

f:id:vordhosbn:20230108124739j:image

「何かの一部である」という自己意識は時に残酷な結末をもたらす。だが、The 1975が奏でるストリングスの先にあるのは、Burn the WitchでRadioheadが緊張感たっぷりに歌い上げた排除の構造ではなく、優しさと暖かさである。その歌詞はいつも通り掴みどころがなく解釈に困るのだが、ヴェルレーヌザナックス、共産主義者といった固有名詞が連なる様子はまるでドゥルーズリゾームを体現しているよう。リゾーム的なネットワークにおいて「何かの一部である」ことが静態的な排除-包摂関係を生み出すことはない。The 1975が提示した暖かさ溢れるインディーフォークは、排除を乗り越えるリゾーム的想像力でもって、新たな時代の地平を切り開く。

 

3. Sugar/Tzu / black midi

f:id:vordhosbn:20230108124755j:image

『「Sugar/Tzu」は、2163年には体重600ポンド(約272キロ)の男たちによるチャンピオン同士の試合が見られるという設定を想像している。』らしい。正直何を言ってるのか分からないが、どうしてかそんな意味不明な設定が見事に似合うジャズ×ロックのマスロックサウンドが展開されている良曲。

 

4. The Sound / Foals

f:id:vordhosbn:20230108124808j:image

各メディアで高評価を得たEverything Not Saved~があまり刺さらなかったこともあり、3rd以来Foalsから離れていたのだが、ダンスロックなFoalsが帰ってきたと聞いて久々に聴いたところ見事にはまってしまった。といっても彼らが回帰したダンスロックはAntidotes的ダンスパンクではなく、あくまで洗練されたポップミュージックとしてであり、その参照点は80sディスコ。今やロックシーンを代表する存在となったFoals打ち出すポップネスは、カラッとした初夏のような爽やかさで彩られている。

 

5. Torture Me / 100gecs feat. Skrillex

f:id:vordhosbn:20230108124826p:image

Pitchforkがいくらこき下ろそうとも、ポップの、エレクトロの卓越した破壊者によるハイパーポップアンセムは間違いなく2022年の重要作品の一つである。10年代の幕開けにエレクトロ/ダンスミュージックをぶち壊したSkrillexと、20年代の幕開けにトラップ、EDM、ポップパンクをジョーク紛いにパロった100gecsの奇跡の邂逅。

 

6. Traps / Bloc Party

f:id:vordhosbn:20230108124845j:image

00年代ポストパンリバイバルの再リバイバル化が進む中、俄然再評価が進んでいるのがBloc Party。ポストパンクの多義的な再解釈が行われる真っ只中において、これぞBloc Partyなストレートなダンスロックナンバーがドロップされたことは実に象徴的であった。その意味で今回の6年ぶりの新曲は初期Bloc Partyへの純粋な回帰という、初期ファンも聴き逃してはならない一曲だ。

 

7. Badi Sabah Olmadan / Altın Gün

f:id:vordhosbn:20230108124932j:image

アナドルロックを代表する今や世界中から絶大な人気を集めるAltın Günの一曲。オリエンタルで中東らしさ溢れる音階のギターリフにキャッチーでアップテンポなメロディがのった様は実に独創的。伝統的なトルコ民謡のエレメントを絶妙なさじ加減でサイケデリックロック、オルタナティブロックと結びつける彼らの嗅覚は実にお見事。

 

8. 転生林檎 / ピノキオピー

f:id:vordhosbn:20230108124941j:image

リゼロ、親ガチャ、メタバース、デザイナーズベビー。僕たちは人生がかけがえのないものであるという絶望と、人生を生きなければならないという絶望のジレンマの中に閉じ込められている。この絶望のジレンマをりんご=禁断の果実を食べたアダムとイブの楽園追放というキリスト教的な世界観と、転生=輪廻転生という輪廻の苦しみを説く仏教的な世界観のシンクレティズムによって見事に描いた快作。

 

9. boy / The Killers

f:id:vordhosbn:20230108124951j:image

煌びやかなシンセとポジティブなメッセージが童心をくすぐる。ブランドンは自身の子供時代を振り返り「考えすぎなくていいんだ」、「飛び降りようとしているなら戻っておいで、その場所は存在するから」と真っ直ぐに歌う。困難の中にいる全ての人に寄り添った一曲。

 

10. Chaos Space Marine / Black Country, Nee Road

f:id:vordhosbn:20230108225444j:image



11. Cracker Island / Gorillaz feat. Thundercat

f:id:vordhosbn:20230108225454j:image

 

12. (Herman's) House / Special Interest

f:id:vordhosbn:20230108225559j:image

 

13. KICK BACK / 米津玄師

f:id:vordhosbn:20230108225520j:image

 

14. PetbottleRocket / ピーナッツくん

f:id:vordhosbn:20230108225621j:image

 

15. Lightning / Charli XCX

f:id:vordhosbn:20230108225718j:image

 

16. Otomo / Bonobo feat. O'Flynn

f:id:vordhosbn:20230108225740j:image

 

17. F. N. F (Let's Go) / GloRilla & Hitkidd

f:id:vordhosbn:20230108230654j:image

 

18. WE ARE BACK / KMNZ

f:id:vordhosbn:20230108230714j:image

 

19. Music For a Sushi Restaurant / Harry Styles

f:id:vordhosbn:20230108230727j:image

 

20. Time Escaping / Big Thief

f:id:vordhosbn:20230109003833j:image

 

21. 灯火 / 優河

f:id:vordhosbn:20230109003846j:image

 

22. Just Wanna Rock / Lil Uzi Vert

f:id:vordhosbn:20230109003858j:image

 

23. Payday / Yard Act

f:id:vordhosbn:20230109003909j:image

 

24. God Is a Circle / Yves Tumor

f:id:vordhosbn:20230109003921j:image

 

25. Step Back! / 1nonly & SXMPRA

f:id:vordhosbn:20230109003936j:image

 

26. emo girl / Machine Gun Kelly & WILLOW

f:id:vordhosbn:20230109004008j:image

 

27. Spittng Off the Edge of the World / Yeah Yeah Yeahs feat. Perfume Genius

f:id:vordhosbn:20230109004020j:image

 

28. Dance Now / JID & Kenny Mason

f:id:vordhosbn:20230109004035j:image

 

29. Black Punk / Rico Nasty

f:id:vordhosbn:20230109004050j:image

 

30. Everything's Electric / Liam Gallagher

f:id:vordhosbn:20230109004101j:image

 

31. Growing Up / The Linda Lindas

f:id:vordhosbn:20230109004115j:image

 

32. midnight sun / Nilüfer Yanya

f:id:vordhosbn:20230109004125j:image

 

33. The Heart Part 5 / Kendrick Lamar

f:id:vordhosbn:20230109004136j:image

 

34. Shotgun / Soccer Mommy

f:id:vordhosbn:20230109004150j:image

 

35. Pomeranian Spinster / Alvvays

f:id:vordhosbn:20230109004203j:image

 

36. Want Want / Maggie Rogers

f:id:vordhosbn:20230109004212j:image

 

37. Wake Up / Young the Giant

f:id:vordhosbn:20230109004223j:image

 

38. Talk / Beabadoobee

f:id:vordhosbn:20230109004233j:image

 

39. ride the dragon / FKA twigs

f:id:vordhosbn:20230109004245j:image

 

40. Subtitle / Official髭男dism

f:id:vordhosbn:20230109004314j:image

 

41. Give me some more... / アルストロメリア

f:id:vordhosbn:20230109004323j:image

 

42. SOUVENIR / BUMP OF CHICKEN

 f:id:vordhosbn:20230109004335j:image

 

43. 新時代 / Ado

f:id:vordhosbn:20230109004345j:image

 

44. Alright* / AVGOTDRIP, Yung Kage & Void feat. Yumi & XANAKIN SKYWOK

f:id:vordhosbn:20230109004357j:image

 

45. 錠剤 / TOOBOE

f:id:vordhosbn:20230109004407j:image

 

46. まにまに / r-906

f:id:vordhosbn:20230109004418j:image

 

47. Spread Thin / Mariah the Scientist

f:id:vordhosbn:20230109004430j:image

 

48. Oto mafia / どんぐりず

f:id:vordhosbn:20230109004441j:image

 

49. 深夜コンビニ昆虫図鑑 / 窓辺リカ

f:id:vordhosbn:20230109004454j:image

 

50. バグ / かいりきベア

f:id:vordhosbn:20230109004508j:image