ゆーすPのインディーロック探訪

とあるPのインディーロック紹介ブログ。インディーからオルタナ、エレクトロ、ヒップホップまで。

ゆーすPが選ぶタイのインディーロックの名曲10選

どうもこんにちは。

本日はまた嗜好を変えての楽曲紹介です。今回は特にタイの音楽をチョイスしました。

タイのポピュラーミュージックが「遅れている」などとの認識はもう一昔前の話。近年ではアジアの中でも優れた音楽産業が発達している国として、一躍グローバルな音楽シーンでのプレゼンスを高めているんです。

ということで、今回はそんな要注目のタイの音楽シーンから、インディーロックの良曲を10曲紹介。

 

1. Phum Viphurit / Long Gone

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まずはつい最近来日公演を行なったPhum Viphuritから。タイの音楽シーンの中でもとびぬけて世界的な人気を誇るSSWであるPhum。昨年発表した楽曲"Lover Boy"はYouTubeの再生回数4000万回を突破しており、Higher Brothersとのコラボ"Lover Boy 88"も88RisingのコンピレーションアルバムHead in the Cloudsに収録され、人気を博しています。この"Long Gone"はPhumのデビューアルバムManchild収録のドリーミーな楽曲。特に本人監督の非常に味のあるMVに注目してほしい。

 

2. TELEx TELEx / ซ่อน

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お次は今年のサマソニへの出演が決まったシンセポップバンドTELEx TELEXs。80年代チックなチープなシンセサウンドにAomのしっかりとしたヴォーカルが乗ったサウンドが特徴的。女性ヴォーカルのシンセポップという点では最近のチャーチズと通ずるところも。歌詞やMVのイメージはなんというか非常にシリアスなラブソング。

 

3. Jelly Rocket / How Long

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こちらは女性三人から成るガールズバンドJelly Rocekt。若い三人が奏でるドリーミーで甘酸っぱいインディーサウンドが特徴的。一方でギターの音なんかを聴いていると、オルタナロックの影響も垣間見える。ライブ映像を見ると、音源からは想像できないエネルギッシュなパフォーマンスに驚く。まだ弱冠20歳とのことで、これからの活躍にも大いに期待。

 

4. Lemon Soup / ไม่ใช่ทุกวันอีกแล้ว

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こういうゆるーいインディーイズムが前面に押し出されたサウンド、個人的に大好物です。USインディーのローファイ感とUKロックのけだるさが独特のセンスでミックスされた良曲。本楽曲収録のアルバムWeekendも、ジャケット写真のセンス良しの良曲ぞろいで聞きどころ多しの名盤なので是非。

 

5. Stoondio / ยินดีที่ได้พบเธอ

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こちらは女性ドリーミーポップデュオStoondioの一曲。素朴なアコースティックサウンドに浮遊感のある優しい歌声が乗ったベッドルームミュージックが心地良い。Death Cab for CutieやIron and Wineといったソフトなインディーロック好きは是非。

 

6. Penguin Villa / นาน

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打って変わってこちらはロックでポップなバンコク発のロックバンドPenguin Villa。タイ映画史上初のパルムドール受賞を果たした映画「ブンミおじさんの森」のエンディングテーマを担当していたことで一躍国際的な知名度を獲得。ここ日本にも映画のプロモーションの一環で来日している。こちらの楽曲はブリットポップ直球のサウンドにNa Na Na〜のポップなメロディが特徴的なキャッチーな一曲。

 

7. Desktop Error / ควันจางลา

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こちらはタイのみならず東南アジア~東アジアでの熱い支持を獲得しているポストロック/シューゲイザーバンドDesktop Error。実際に2012年にはシンガポール最大の音楽フェスでtoe.との共演を果たしており、同フェスの唯一のタイ出身バンドとしての大役を見事にこなした。モグワイを思わせる重厚なギターにシューゲイザー特有の甘美なコーラスが溶け合う様は英米の同類系バンドと遜色無い。ただ、単に欧米音楽の模倣ではなく、ピンと呼ばれるイサーン地方の伝統楽器を取り入れるなど、タイならではの魅力も感じられる。

 

8. Monomania / มนุษย์ทุกวัน

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Optimisticを思わせる独特のリズム感、The King of Limbsのアップビートな細かいリズムを基調とした電子音。このEvery Dayを聴いた瞬間に、これは間違いなくタイのレディオヘッドだと感じたことをよく覚えている。タイが誇るアートロックバンドMonomaniaはノイズサウンドアンビエントミュージックをある時にはエレクトロニックに、またある時にはロックに表現する多才さを持ち合わせている。independentでの活動らしく、ほとんど情報が無いのがネック。Monomaniaって言うとやっぱりDeerhunterが出てきてしまう…

 

9. Somkiat / โคตรดี

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 タイの新生の人気ロックグループSomkiatによるフレッシュな一曲。One Directionにも通じるポップさ煌びやかさでこれは若者に受けそうだなぁとか思ったり。一方でブリットポップの血も受け継いでおり、ライブではArctic Monkeysのカバーを披露していたことも。そのためSomkiatをきっかけにArctic Monkeysを知るタイの若者リスナーも多いらしい。(ちなみにこちらアクモンCrying Lightningのカバー映像。https://m.youtube.com/watch?v=5HgfIVlRUmA )

 

10. Polycat / たくさんの花

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最後は、タイをはじめとしてアジアで絶大な人気を誇る(彼らの代表曲AlrightのMVの再生回数は7000万回を突破している)Polycatの楽曲を紹介。日本の80年代シティポップに多大な影響を受け、7曲中4曲が日本語詞で作られたアルバム「土曜日のテレビ」はここ日本でも話題となり、実際に来日公演を実現させている。そんなアルバム「土曜日のテレビ」収録の本楽曲だが、山下達郎の影響を受けたAORサウンドとのレトロなシンセポップが心地よい。にしても日本語の発音がめちゃくちゃスムーズで初めて聴いた時には本当にタイ人かよと疑ってしまった。

 

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ということで10曲紹介してきました。一括りにタイのインディーロックといっても非常にバラエティに富んでいて、多彩なシーンの現在が垣間見れたかなぁと思います。これから更なる盛り上がりを見せるであろうタイの音楽シーン、もっと色々とディグっていきたいですな。