クールに、情熱的に、愛を歌う
Live Report : Phoenix 2018 4/24 @ 豊洲PIT
昨今、日本に蔓延る「フランス信仰」なるものが話題となっている。『フランス人は10着しか服を持たない』『フランス女性は太らない』『フランス人の部屋にはゴミ箱がない』などの多くの本が書店に並んでおり、フランスに憧れる「フランス信仰」は未だに根強い。
しかしながら、パリの街は決して綺麗とは言えないし、ひったくりなどの犯罪も多い。実際にこのギャップのせいで、フランスに過度の期待を抱きすぎて、実際にパリを訪れてがっかりしてしまう「パリ・シンドローム」*1に陥る人も多いという。
だが、もし、あなたが実態としてのフランスをよく知る前に、このPhoenixに出会ってしまったとしたら、「パリ・シンドローム」に罹ってしまっても仕方があるまい。それは、かつての私がそうであったように。
何が言いたいかって、それだけ彼らは洗練されていてクールだってことだ。Phoenixは我々が抱く理想としてのフランス像を見事に体現している。それはサウンドはもちろん、ジャケット写真やライブ時の照明などの様々な点で散見される。洋楽のアーティストであれだけTシャツが売れるのも、Phoenixのおしゃれさを裏付けるエピソードの一つと言えよう。
ただ、ライブの彼らはそれだけじゃない。パワフルでダイナミックなパフォーマンスは、Phoenixのライブを実際に体験しないと想像できない。今回のライブも例に漏れず、冒頭の4曲でいきなりトドメを刺しにくるセットリストに、何度もクラウドサーフを決めるトーマスにと、熱狂的な力強さをひしひしと感じるライブパフォーマンスであった。
特に印象的であったのが新譜からのタイトルトラックである"Ti Amo"だ。パワフルで踊れるドラミング、サビで爆発するダイナミズム、情熱的に愛を歌うトーマス、これらが見事に重なり合い、フロアの盛り上がりは最高潮であった。
確かに"Lovelife"等、新譜からの曲をもっと聴きたいという心残りは多少あるものの、"Consolation Plazes"などおっと思わせるような選曲も飛び出た。新旧の代表曲を広くカバーした、ベストヒット的なセットリストだったのではなかろうか。
ということで、ライブレポートというより安っぽい感想でした(笑)。毎度のことながらあれだけの大物ミュージシャンを小さいキャパで観られることに感謝しつつ(一方でちょっと寂しい気もしますが…)、彼らがコーチェラ2013でトリを飾った際の映像などを観て、その人気のギャップを噛みしめたいと思います(笑)。それでは。
ちなみに、昨年リリースの最新作"Ti Amo"のディスクレビューはこちら↓↓良かったらぜひ!!
SETLIST
- J-Boy
- Lasso
- Entertainment
- Lisztomania
- Trying to Be Cool
- Role Model
- Fences
- Rally
- Too Young / Girlfriend
- Countdown
- Ti Amo
- Armistice
- If I Ever Feel Better / Funky Squaredance
- Rome
- Goodbye Soleil
- Telefono
- Consolation Prizes
- Fior di latte
- 1901
- Ti amo di più
*1:詳しくはこちら→パリ症候群 - Wikipedia参照。