ゆーすPのインディーロック探訪

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今年の夏は、彼らに決めた!ーSong Review : Friendly Fires / Love Like Waves

今年の夏は、彼らに決めた!

Song Review : Friendly Fires / Love Like Waves

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ついに。ついに待望の新曲が発表された。彼らの純粋な新曲としては*1なんと7年ぶりだという。いやはや、それにしても待った。2ndアルバム"Pala"をひっさげたツアー終了以降ずいぶんと音沙汰のない状況が続いたのち、突如ツイッターに謎の投稿をしたのが昨年の9月14日のこと。それ以降、新譜を匂わせる断片的な映像を公開しては、我々を期待させ、新曲はまだかまだかととことん焦らしてくれた。

そんなこんなで今回、やっとの事で届けられた新曲はその名も"Love Like Waves"。いざ聴いてみると、"Pala"で特徴的であったトロピカルなファンクとインディーロックの有機的結合が、本楽曲にも連綿と受け継がれていることがわかる。その意味で本楽曲はFriendly Firesらしさを感じさせる、堂々としたカムバックシングルだ。

 

彼らが不在であった7年で、音楽をめぐる勢力図は大きく変わった。インディーロックは衰退し、全てを取り込みながらヒップホップがヘゲモニー化した。Friendly Firesは二元的に考えれば「インディーロック側」にいる。では、勢力の変化に伴って、Friendly Firesは「時代遅れのバンド」になったのか。

不幸中の幸いと言ったら良いだろうか。上述の点では時代は彼らに味方しなかったが、別の要素、すなわち「ファンクミュージック」という点では時代は彼らに味方した。

Daft Punkが"Random Access Memories"でもたらしたファンクリバイバルは、それ以降、Bruno Marsが大衆的支持を集め、Calvin Harrisが批評家を唸らせ、The 1975がロックとの結節点を生み出すなど、今の音楽を考える上で重要な一要素となった。

この系譜に、Friendly Firesは図らずとも連なることができた。ここに、インディーロック復活の可能性が秘められてる。彼らの新譜は、恐らく、周縁化したインディーロックが再びメインステージに上がるための鍵となる作品となるであろう。

 

とにかく、今年の夏はFriendly Firesと共に、思いっきり踊ろうじゃないか。サマーソニック2018への出演も決定している。2011年のサマソニで魅せてくれた最高のステージを、私はまだ鮮明に覚えている。ポップでダンサンブルな彼らの音楽が、7年越しのサマソニのステージで、多くの人の胸を掴む場面を、今から想像してはワクワクが止まらない。

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*1:実は、Andy WeatherallとTimothy J Fairplayによるユニット、The Asphodellsとのコラボ名義で2014年にシングル"Before Your Eyes/Velo"を発表している。