過剰の美学が生んだ大団円
Live Report : MUSE 2017 11/14 @横浜アリーナ
ー「装飾、壮大、うぬぼれ、プログレッシヴ・ロック。それが現代の音楽の風景をだめにする4つの罪だ。そして、イギリスのテインマスでレコーディングされた苦悩のロッカーたちミューズのセカンドとなる『Origin Of Symmetry』は、その4つすべてにおいて有罪だ。」
これはかつてLouis Pattisoが"Origin of Symmetry"を評して述べた一文である。確かに現代におけるロックは、できるだけ装飾を削ぎ落とし、"クールであること"こそが美学とされてきた。2001年のThe Strokesの誕生に端緒をなしたロックンロールリバイバルはそうした傾向を推し進めたし、2000年代後半のインディーロックの興隆は壮大さや自惚れとはおよそ無縁のものであった。
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