ゆーすPのインディーロック探訪

とあるPのインディーロック紹介ブログ。インディーからオルタナ、エレクトロ、ヒップホップまで。

パウロの人生、カニエの回心ーDisc Review : Kanye West / The Life of Pablo

パウロの人生、カニエの回心
ディスクレビュー : Kanye West / The Life of Pablo (2016)

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 前回の記事で昨年の作品Chance the Rapperの"Coloring Book"を紹介したのですが、今このタイミングで?と思わせる少し唐突な感じになってしまいました。反省。…なのですがそんな流れで今回もそんな昨年の作品であるKanye Westの"The Life of Pablo"を紹介します。このチャンスとカニエの両作品は、多くの共通項が見出せる、2016年を象徴する作品です。そんな彼らの共通項から、2016年的なサウンドの一つのキーワード、"キリスト教的要素"について考えたいと思います。

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怒りを祈りに転化したシカゴの光ーDisc Review : Chance the Rapper / Coloring Book

怒りを祈りに転化したシカゴの光
ディスクレビュー  : Chance the Rapper / Coloring Book (2016)

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 "Music is all we got"ー音楽こそが全てだ、と彼は歌った。そんな彼が、ヒップホップアクトながらグラミー賞で新人賞を獲得し、ロラパルーザを満杯にした。チャンスは、「音楽が全て」という当たり前のことを私たちにふと思い出させた。チャンスのそんな単純な祈りはいつの間にか、僕らの祈りとなっていたのだった。

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ゆーすPが選ぶエレクトロニカの名曲10選

 なんと来月、9/20にTelefon Tel Avivの来日公演が決定しました。Telefon Tel Avivと言えば、その1stアルバム"Fahrenheit Fair Enough"はまさにエレクトロニカの金字塔と呼ばれ、今日までシーンに多大な影響を与え続けています。ということでそんなTelefon Tel Avivの来日を記念して今回はエレクトロニカシーンの名曲を10曲ほど紹介したいと思います。

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Radiohead "OK Computer"再考ーDisc Review : Radiohead / OK Computer

Radiohead "OK Computer"再考
Disc Review : Radiohead / OK Computer (1997) 

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    20周年を迎えてリイシューされたあの名盤をちょっと言語化しておこうと思ったらなんだか長ったらしく大仰になってしまいました。個人的に思い入れのあるアルバムをレビューするのって中々難しいですね。どうしたって偏愛になってしまいます。そしてほかのレディオヘッドの作品についても書きたいところですが、ただのレディへオタクだとばれてしまうので控えておきます(笑)。ではでは。

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煌めき、色付く、僕らの世界ーDisc Review : Phoenix / Ti Amo

煌めき、色付く、僕らの世界
ディスクレビュー : Phoenix / Ti Amo (2017)

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 Phoenixというバンドはまさに理想のストーリーを経て成長してきた。それは1stアルバムにして大傑作を作り上げその後の活動に苦悩したThe Strokesとも、大ヒット曲が一曲だけひとり歩きしていき誰もアルバムを聴いてくれないと嘆くMGMTとも違った。彼らはあくまでも一歩ずつ、着実に、ファンを獲得し知名度を上げてきた。そんな彼らは、デビューから13年にして遂にコーチェラのヘッドライナーとして出演し、大歓声を浴びるに至った。

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