ゆーすPのインディーロック探訪

とあるPのインディーロック紹介ブログ。インディーからオルタナ、エレクトロ、ヒップホップまで。

ソニックマニア雑記——Live Report:SONICMANIA 2022 8/19

f:id:vordhosbn:20220822210015j:image
どうもゆーすPです。先日2018年以来4年ぶりのソニマニに行ってきました。

仕事の都合もありカサビアンの途中くらいから参加となりましたが、Hardfloorの最後まで思いきり楽しめました。以下、アクトごとの簡単な感想です。

 

21:30 KASABIAN @MOUNTAIN STAGE

個人的には2017年のソニマニ

indiemusic.hatenadiary.jp

以来のカサビアン。この5年の間にトムの事件・脱退という大きな事件があり、期待と不安が渦巻く中であったが、見事なカムバックを果たしてくれた。

トムの抜けた穴を埋めたのはThe Musicのロブ。彼がサポートメンバーとしてカサビアンに加わることで、グルーヴィーなカサビアンの魅力を損なうことなく、安定的なパフォーマンスを実現させていた。treatのアウトロではサージがThe Peopleのワンフレーズを歌うというまさかの嬉しいサプライズもあり、サージによる新体制カサビアンに抱いていた一抹の不安は一瞬で消え去った。

私は大遅刻でtreatからの参加であったので、新譜からのナンバーを一曲も聴けなかったのが心残りであるが、前回のソニマニで演らなかったEmpireが回収できたので良しとしよう。

ちなみにカサビアンのライブ中にバックスクリーンに映っていた文字が何か気になって仕方がないのだが、これは一体…一瞬ギリシア文字かと思ったのだがよく見ると違うし…解読不能

 

23:20 MADEON @MOUNTAIN STAGE

f:id:vordhosbn:20220825012243j:image

Madeonについては2011年にPop Cultureが話題になった頃に聴いたきりで、その頃のThe City、Finaleくらいしか聴いたことはなかったのだが、見事なマルチプレイヤーっぷりに驚いた。Launch Padはもちろん、自身でボーカルも担当し、一曲ごとにわざわざステージ前方へ出向きありがとうと感謝を述べるというサービス精神もありで彼の人柄の良さも感じられるステージであった。

何より特筆すべきは広大なマウンテンステージのバックスクリーンを存分に活かしたVJの演出であり、音とジャストマッチで共鳴する美しくクールなVJが見事であった。美しいエレクトロの響きが神秘的ともいえるヴィジュアルイメージと重なり合い、幾度となくピークタイムを演出していた。終了10分前頃に泣く泣くNujabesへ移動のため退散。

 

00:30 Nujabes Eternal Soul @PACIFIC STAGE

f:id:vordhosbn:20220825012335j:image

Nujabesの盟友らによるNujabesの名曲たちのパフォーマンス。冒頭からreflection eternalでしんみりしていたのだが、かなり後方で見ていたので、すぐ隣のJ-CULTURE STAGEの音が結構聞こえてきてしまっているのが残念だった。20分ほどでプライマルへ。

 

01:10 PRIMAL SCREAM present Screamadelica Live @MOUNTAIN STAGE

f:id:vordhosbn:20220825012431j:image

スクリーマデリカ再現となれば行かないわけにはいかないということで、今回ソニマニの目当ての一つであったプライマル。前回のスクリーマデリカ再現ライブは2011年のソニマニで、当時未成年であった私は泣く泣く行くのを諦めたのを覚えている。

さて、そんな待ちに待ったライブはもちろんMovin' On Upからスタート。オルガンの音色が彩るイントロから、聴きなれたあのギターリフが高らかに響き渡る。勢いそのままにSlip Inside This House、Don't Fight It, Feel Itと最高に踊れるマッドチェスターナンバーが続き、一気に会場は90年代初頭の空気に。

ここでアルバムとは曲順を変え、Come Togetherを披露。祝祭感を演出し、序盤の一つのピークを迎えたライブは同曲を経て中盤戦へ。Inner FlightからI'm Coming Downまで、ダウンテンポな楽曲が続き、深夜のアリーナは神秘的でメロウな空間へと様変わりする。そして、スクリーマデリカの中でもとりわけアシッディーなHigher Than the Sunで会場はもう一つのピークに。深夜2時に聴くHigher Than the Sunは、何とも言い表せない至高の体験であった。その後はLoaded、Rocksで再び会場のボルテージをぐっと上げてフィニッシュ。濃密な90分であった。

f:id:vordhosbn:20220825012602j:image

今回改めてスクリーマデリカを体験して感じたことは、本作が、アシッドハウスという結節点でもってロックを再構築したという点のみならず、伝統的な60年代のガレージロックや80年代のギターポップなどの歴史的文脈を「正しく」踏まえているという点においても卓越しているということだ。実際、今回のライブはアシッド色よりもロック色が強く、ストーンズを直接引用したようなリフもありで、ボビーのスクリーマデリカ以前の伝統的な音楽への愛慕を感じる90分であった。

とはいっても、もちろんスクリーマデリカが懐古主義だという訳ではなく、91年以降の音楽的残滓を見出すことは造作でもない。その意味で、スクリーマデリカは伝統を正当に継承した上で、それをアシッドハウスをはじめとするダンスミュージック的な新たな手法で再構築した、二つの意味で殊に名盤なのである、ということを、今回のライブ体験は改めて思い知らせてくれた。

 

03:40 HARDFLOOR @SONIC STAGE

f:id:vordhosbn:20220825012659j:image

ラストはハードフロア。ソニマニ参加の最大のお目当てであった。もうすぐ4時という最高に眠い時間帯であったが、いざパフォーマンスが始まればこっちのもの。ただひたすらに黙々と踊り続けた60分であった。

f:id:vordhosbn:20220825012716j:image

最初、かなり前方にいたのだが、意外にも人が多く、踊り狂うほどのスペースがなくなってきたため、後半はやや後ろに下がってスペースを確保し再度踊り狂った。ラストのLost in the Silverbox→Acperience1の流れは最高にあがった。Lost in the Silverboxの手拍子も見事に決まって?良かった。

ハードフロアについはこのとき(2017年ベストアルバム50選:TOP 50 ALBUMS OF 2017 [50-1] - ゆーすPのインディーロック探訪)に恥ずかしい文章を書いている通り、色々と思い入れがあるので今回こういった形で改めてライブを見れて良かった。クラブだと少し身構えてしまうので、こういうフェスにも顔を出してくれるのはありがたい限り。

 

ということで、雑文ではありましたが、以上、ソニックマニア雑記でした。

 

そして…ハードフロア後、なんとか海浜幕張5:02発の東京行き(始発)にぎゅうぎゅうになりながらも乗ることができ、5:20頃に今回宿泊予定のホテルがある市川塩浜駅に到着。シャワーを浴びたりしていたら6時となり、サマソニ初日の開演まであと4時間というところで、ソニマニ→サマソニ睡眠チャレンジが始まったのである。。(続く)