ゆーすPのインディーロック探訪

とあるPのインディーロック紹介ブログ。インディーからオルタナ、エレクトロ、ヒップホップまで。

フジロック雑記——Live Report:FUJI ROCK FESTIVAL 2022 DAY1 7/29

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どうもゆーすPです。一昨日のフジロックDAY1に行ってきましたので、雑感メモを簡単にまとめてみました。天気も良く、人もそこまで多くなくて(行き帰りのシャトルバスもほぼゼロ待機)、快適なフジロックライフでした。

 

11:30 踊ってばかりの国 @FIELD OF HEAVEN

チラ見。

 

12:30 DOPING PANDA @WHITE STAGE

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令和にドーパンを苗場で見れるなんて、MIRACLEを、Transient happinessを、Crazyを、生で観て踊り狂えるなんて、正直夢にも思わなかった。ドーパンを知ったのが解散後だった…というわけではなかったが、まともにライブを見る機会を逃したまま解散してしまっていたので、彼らのライブを見ることは二度とないんだろうなと思っていた。

名曲・定番曲の連打でもう本当に最高にアガったわけだが、印象的だったのが彼らの前を向く姿勢である。再結成をするからには、単に過去のノスタルジアにすがっているだけではいられない。ドーパンをこれからに、未来に、進めていく必要がある。そんな3人の強い気概をひしひしと感じるステージであり、披露された最新アルバムの曲は、どれも旧作からのナンバーに劣らず気合が入っていた。個人的にドーパンは10年代邦ロックのノリを00年代で先取りしていた稀有な存在であったと思うので、フジのみならずロッキン等の邦ロックフェスで、その真価を若いリスナーたちに伝えていってほしい。エルレ、ドーパンときたら来年はビークルですかね??

 

13:10 幾何学模様 @FIELD OF HEAVEN

ドーパン後に30分ほどチラ見。

 

16:10 JPEGMAFIA @WHITE STAGE

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2018年のVeteranで知り、2019年のAll My~でハマり、(確か)Pitchfork Festivalのライブ映像を見て衝撃を受けたことを覚えている。名前がまず良い。なんてったってJPEGとマフィアだ。そして、一見ふざけているようで、その音楽への姿勢はいたって真摯である。なんてったって、自分でPCをセッティングしてキューだしをするという真面目っぷりだ。

この二面性は今回のフジでも健在で、TOYOTAのつなぎやペットボトルぶちまけや虫にビビる姿(これは違うか)といった派手さ、破天荒さを見せつつも、息切れするほどにリリックに全力を込め、自分の言葉がきちんと伝わるように通訳に訳させる(訳した結果が「暑くてf**kだ」という見事なオチだったが。)姿は真面目そのもの。

矢継ぎ早に繰り広げられる音は、トラップからハードコアからグリッジノイズまで、実に多様。重低音がよく響くホワイトステージの地の利を生かしたビートの嵐が我々を思いっきり揺さぶった、あっという間の60分であった。聴きたい曲が多すぎてまだまだ聞き足りないのが正直なところではあり(個人的に一番好きなCOVERED IN MONEY!は普段のライブでもやっていないっぽいが…)、BROCKHAMPTONとのChain Onはやってくれたものの、個人的にはFlumeとのHow to Build a Relationshipを聴きたかったなぁとか、タイミング的にはもうライブで披露していないのかもしれないが、デンゼルカリーとのVENGEANCEも聴きたいなぁとか、思わないこともないが、とにかく最高のパフォーマンスでぶちあがったので良しとしよう。

 

17:00 clammbon @GREEN STAGE

JPEGMAFIA終わりに急いで向かったら、"波よせて"の開始にぎりぎり間に合いました。急遽の代打でしたが王道のセットリストで見事なパフォーマンス。やっぱりフジロックにはクラムボンがいないと。最後のKANADE Danceは鳥肌モノ。

 

18:00 Awich @RED MARQUEE

チラ見。

 

19:00 Hiatus Kaiyote @GREEN STAGE

本当に凄いものを観た。全てが見事に噛み合った、極上の演奏であった。桁違いの演奏力が裏付ける圧倒的なグルーヴ。ジャストから少しずれる拍でも寸分の狂いなくぴったり合うリズム隊。変拍子のようなリズムがかちっと決まる様が圧巻でありつつも、不思議と踊りづらいというわけでもとっつきにくいというわけでもない普遍的なソウル。2015年ごろに大絶賛されていたChoose Your Weaponが当時あまりしっくり来ず、昨年の新譜で遅ればせながらに魅力に気づいた新参者なのだが、これはライブで観てこその魅力が溢れていると改めて実感。

 

20:00 Jonas Blue @WHITE STAGE

全く予定外でしたが、なぜか体力が有り余っていたので思い立ってジョナスブルーで踊りまくることに。BE:FIRSTの出番がちょうど終わったころに到着。Jonas Blueというとポップ寄りのトロピカルハウスのイメージがあったのだが、EDM節全開のアンセミックなリフの嵐で、気づけばどっぷり踊ってしまった。

 

21:10 Vampire Weekend @GREEN STAGE

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最初は本当にどうなることかと思った。待ち望んでいたVampire Weekendのステージで、眼前にはエズラがいて、それはそれは幸せな空間であるはずだったのだが、Sunflower、Unbelievers、White Skyまでやったところで音響トラブルで一度中断。それも音が全く聞こえない、あるいはノイズが思いっきり混じるという前代未聞のトラブルっぷりで、最悪中止もあるんじゃないかと思ってしまうほどだった。

大好きなUnbelieversを折角やったのにまともにそれを聴けずでなぜこんなことに…と落胆していた私であったが、一切機嫌を悪くせずになんとか演奏を続けようとするエズラ達の人柄の良さに本当に救われた。彼らは本当に大人で、我々観客の忍耐強さを称賛したり、PAに感謝したりで、再開後のMCでは「AC/DCに感謝を」とユーモアたっぷりの発言で会場の緊張感を解そうとのジェントルマンっぷりであった。

なんやかんやでライブは再開。その後は音響トラブルもなく、見事なパフォーマンスを見せてくれた。新譜からのナンバーがどれも素晴らしく、2021、Jerusalem, New York, Berlinでは鍵盤の響きが美しい見事なアレンジがみられた。なんといってもハイライトは祝祭感溢れるHarmony Hallの演出からの旧譜のキラーチューン三連続(3rdよりDiane Young、2ndよりCousins、1stよりA-Punk)。現在までのVampire Weekendの15年の歩みを総括するような10分間であった。

前回のフジロックでは、SBTRKTの"New Drop. New York"やシン・リジィの"The Boys Are Back In Town"のカバーなど、自身のルーツへの注目やニューヨーク、アイルランドといった各地域のローカル性が強調されていたが、今回のフジロックはそうした自身のルーツやバックグラウンドを咀嚼した上で、グローバル性を感じさせるような演出が随所に見られた。ステージ中央にぶら下がる地球儀は言わずもがな、バックスクリーンに映し出される蛇や花も円・輪のイメージでもって描かれており、思い返せばJerusalem, New York, Berlinはまさにディアスポラとして国を持たずに流浪するユダヤ人の姿を描いた楽曲であった。

その意味で、前回のフジロック(というか3rdアルバムのテーマ)がエズラのルーツとしてのニューヨークの強調、そこからのローカル性の強調であったのに対し、今回のフジロック(であり4thアルバムのテーマ)はエズラアイデンティティとしてのユダヤ性の強調であり、国家を持たない者としての、ある種消極的な形でのグローバル性の強調であったように思う。

最後に披露したBob DylanのJokermanは、旧約聖書に関わるフレーズが多く登場する楽曲であり、一度福音派に改宗したディランが再びユダヤ教に回帰した一曲であった。ユダヤ人としてのアイデンティティという点で思いを共有しつつ、(音楽的に言えば)誰もがわかる普遍的存在であるディランという媒介項を通して、エズラアイデンティティとグローバル性という一見相反する二つが表裏一体であることを示したかったのかもしれない、というのは考えすぎであろうか。

 

22:00 BONOBO @WHITE STAGE

Vampire Weekend終わりに30分ほどチラ見。

 

 

ということで、踊ってばかりの国(チラ見)→ドーパン→Kikagaku Moyo(半分ほど)→JPEGMAFIA→クラムボン(優しい彗星以降)→Awich(半分ほど)→Hiatus Kaiyote→Jonas Blue(チラ見)→Vampire Weekend→Bonobo(30分ほど)という感じで観てきました。

久々にこんなに頑張って色々観たような気がします。いつも疲れてこんなに観れないんですが、久々のフェスで張り切ってしまいました。まあ最大の要因は今回前乗りして木曜夜に越後湯沢のホテルに泊まったことが大きかっただけのような気もしますが笑。ということで、まだフジロックは続いています。3日目現地行かれる方はお気をつけて。私はおうちフジロックを楽しみます。Mura Masa楽しみ。ではでは。