ゆーすPのインディーロック探訪

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ゆーすPが選ぶ現代アラブ・ポップミュージックの名曲10選[入門編]Part.2

ゆーすPが選ぶ現代アラブ・ポップミュージックの名曲10選 Part.2

ということで、前回記事↓↓

indiemusic.hatenadiary.jp

こちらの続きです。前回はパレスチナ、ヒップホップ中心でしたが、今回はエジプト、ロックバンドを中心に現代アラブポップのオススメ曲を紹介します。


6.Sout El Horeya (صوت الحريه) / Cairokee (كايروكي)

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 ということで早速エジプトのロックバンドCairokeeから。2003年に結成されたCairokeeですが、2011年に発生したエジプト革命に際して市民の革命を鼓舞する楽曲を発表したことで一躍有名に。特に90年代初頭に活躍したエジプト人シンガーAida el Ayoubiをフィーチャーした楽曲”Ya El Medan”がスマッシュヒットを果たしたことで国際的な知名度を獲得し、同楽曲のMVはユーチューブで現在500万再生を突破、日本でも産経ニュースが取り上げるなど*1、注目度の高さが伺えます。

ここで取り上げたのは”Sout El Hareya”(「自由の声」)という楽曲。この曲はまさにエジプト革命のデモが発生していたタハリール広場で収録されたもので、自由を取り戻すことを訴えたメッセージ性の溢れた、それでいて90年代のブリットポップを思い起こさせるようなアコースティックな音像が特徴的です。

こうしたエジプト革命とポップミュージックシーンの関わりについては、中町信孝『「アラブの春」と音楽 若者たちの愛国とプロテスト』(DU BOOKS)が詳細に描いていて非常に面白いので気になった方は是非。

 

7.Arabily (قربيلي) / Wust El Balad (وسط البلد)

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続くこちらもエジプトのロックバンドから。1999年にカイロで結成されて以降、現在に至るまで、四枚のフルレンスをリリースしており、今年の3月にもニューアルバムをリリースしたばかりと、精力的な活動を続けています。

このArabilyは、2007年に発表されたデビューアルバムのオープニングを飾る一曲で、軽快なアコースティックギターアルペジオにリズミカルなリリックが乗ったポップな一曲です。歌詞の方を見てみると、バンド結成以来の物語、そして自身のバンド名にもなっている「ダウンタウン」(Wust El Baladはアラビア語でdowntownの意。)で見たもの、その風景が描かれており、エジプトの繁華街の様子のその一片を垣間見れます。

 

8.Holako (Hulagu) (هولاكو) / Alif (الألف)

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こちらはエジプト、イラクレバノンパレスチナと様々なアラブ諸国から集まった5人組のエクスペリメンタルバンド。

Holako (Hulagu)は、イギリスのインディーレーベルNawa Recordingsからリリースされたアルバム”Aynama-Rtama”からの一曲。ダウナーなギターリフとサイケデリックな曲展開が独特の空気感を生み出していて、不思議な中毒性のある楽曲となっています。

(何故か)ディスクユニオンタワーレコードでも取り扱いがあるようなので、気になった方は是非。

 

9.3 Minutes (٤ دقائق) / Mashrou' Leila (مشروع ليلى)

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さて、個人的には特に一押しなのがこちらのバンド&楽曲。レバノンのインディーロックバンドで、バイオリン奏者を含む5人からなる2008年に結成されたグループです。

元々アラブポップの伝統を踏襲していた彼らですが、キャリアを進めるにつれ欧米のポップス、ロックの要素、さらにはエレクトロミュージックの要素を取り入れるようになりまして、2013年のアルバム”Raasuk”以降は、非常に現代的な、欧米のバンドとの同時代性を強く感じさせるハイレベルな楽曲が特徴です。

実際にアルバム”Raasuk”のリリース後、中東のアーティストとして初めてローリングスローズ誌の表紙を飾っており、さらに2015年にアルバム”Ibn El Leil”がリリースされた際にThe Guardian誌は同アルバムを「アークティックモンキーズレディオヘッドそしてロキシーミュージックやワイルドビースツと比較しうる」と絶賛*2しています。

この”3 Minutes”はそんなアルバム”Ibn El Leil”からリードシングルで、エレクトロミュージックの要素を取り込んだリフが特徴的なナンバー。洗練されたMVも要注目。

 
10.Wenu Wenu / Omar Souleyman

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そして最後はOmar Souleyman。シリアのテクノアーティストで、ダブケと呼ばれるシリア特有の民族舞踊をダンスミュージックに昇華したシリア音楽界の伝説とも呼ばれています。

カセットリリースした”Jani”がヒットすると、国民的人気を獲得、さらには2013年にフルアルバム”Wenu Wenu”をリリースさせると国際的に知られるように。実際に2013年のホステスクラブウイークエンダーで初来日を果たし、また、ビョークからの熱烈なファンコールを受け、BjorkのCrystalijeのリミックスを担当、さらにはトムヨークがレディオヘッドの公式サイトで愛聴曲として取り上げる等、国際的に高い評価を受けています。

さて、そんなアルバム”Wenu Wenu”からの一曲”Wenu Wenu”ですが、非常にハイテンションで一度聞いたら耳から離れないメロディが特徴的な一曲となっています。

 


ということで、前回と合わせて10曲を紹介してきました。気になるアーティストがいたら是非是非。アップルミュージックならここで紹介した楽曲は全て聴けるようなので。ではでは。