ゆーすPのインディーロック探訪

とあるPのインディーロック紹介ブログ。インディーからオルタナ、エレクトロ、ヒップホップまで。

曲名に"November"が含まれている11月に聴きたい名曲10選

 

どうもゆーすPです。近頃グンと寒くなってきました。気づいたらもう11月なんですね。個人的にこの11月ってあれなんですよね、月の中で一番印象が薄い。(11月誕生日&11月好きの皆様すいません) なんだか大きなイベントもなく、それでいてこのひと月は過ぎるのが早い印象。今年もまた気づいたら12月になってそう。(11月に親を殺されたとかそんなことはないです。重ね重ね11月すいません) そんな11月をより彩りのある特徴的なものとするため、11月っぽい曲、はたまた"november"が曲名に含まれている曲を10曲選んでみました。ついでに曲のどこらへんが11月なのかも考えて見ました。ではでは。

 

1. Nothing's Carved In Stone / November 15th

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恐らく"邦ロックNovember界隈"の中でも飛び抜けた知名度のある楽曲でしょう。 ちなみにNothing's Carved In Stone(以下NCIS)は、ELLEGARDEN解散後に同ギターの生形真一氏がストレイテナー日向秀和氏と結成したバンドです。本楽曲はそんなNCISの初期の代表曲のひとつ。

この曲のタイトル"November 15th"はギター&ボーカルの村松拓がNCISでやってく決意を自分の中で決めた日のことだそうで。ちなみに歌詞内のNovemberフレーズとしては、"November 15th, I need your bright light"と印象的な一節を成しています。

 

2. ストレイテナー / The Novemberist

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続いてこちらはそんなひなっちが2004年から参加しているバンド、ストレイテナーの一曲。タイトルの"Novemberist"は(恐らく)造語で、Novemberにist(〜する人を意味する接尾辞?)が付いたものです。

歌詞は"September"から始まります。"September wind takes my hurts away"ですから「9月の風は僕の傷をどっかへ吹き飛ばしてくれる」みたいな。続いて"October"。"October rain washes my sins away"なので「10月の雨は僕の罪を洗い流してくれる」みたいな。そして11月。"I'll hear the stardust crash. Crashing from the great high in November"=「11月には、遥か空高くから星屑が衝突する音を聞くだろう」みたいな? 

 

3. Gorillaz / November Has Come 

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こちらはデーモンアルバーン率いるヴァーチャルバンドGorillazの一曲。2005年リリースの2ndアルバム"Demon Days"収録で、MF DOOMがフィーチャーされています。

どこらへんがNovemberかを探してみると、フックの歌詞に

Something started today
Where did it go? What you want it to be?
Well you know, November has come
When it's gone away

ありました。Nobemberです。この歌詞の解釈について調べてみると、色々と議論されていましたが、"November has come"をハロウィンと関連づけて、11月が来た=10/31(ハロウィン)の終わり、すなわちハロウィンに出現する悪魔たちが居なくなる(="it's gone away")、ということを歌っているんだっていう解釈が自分の中では一番納得できるものでした。(ほんとは11月になって悪魔たちはいなくなるはずなんだけど…ってのがまさにDamon Day"s"と複数形になっている所以という話まで発展していましたが…)言われてみればこのアルバム自体がハロウィンっぽさを帯びているなと。

 

 

4. カミナリグモ / November Fools

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("November Fools"の動画がなかったので代わりに"こわくない"を。)

カミナリグモって今どれくらい知名度があるのかあまり分からないのですが、彼らの1stアルバムはピロウズ山中さわおさんプロデュースということもあって割と話題になっていました。

さて、"November"要素ですが、正直言葉遊びの域を超えた意味を持っていません。"November"と"Remember"をかけた、みたいな。エイプリルフールみたいにノーベンバーフールってあるんですかね?ちなみにこの"November Foolは2ndアルバム収録。彼らの曲としては"こわくない"や"ローカル線"がオススメです。

 

5.  Gabrielle Aplin / November

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こちらは1992年生まれのイギリスのシンガーソングライター"Gabrielle Aplin"の一曲。彼女は2013年にデビューアルバム"English Rain"をリリースし一躍有名になりました。この楽曲もそんな1stアルバム収録の楽曲です。

Novemberフレーズは、サビの"I always used to love November"の一節にあります。「昔は11月が好きだった」んですが、その後、"But now it always floods with rain"(けど今じゃ雨で水浸し)と歌われており、その他の歌詞などから考えると、11月に失恋してしまった、って話でしょうね。

 

6. Tyler, the Creator / November

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こちらは来日公演を行なったことも記憶に新しいTyler, the Creatorが今年リリースした新譜からの一曲。この新譜"Flower Boy"は各メディアからも概ね好評価を得ており、ピッチフォークでは8.5点でBEST NEW MISICに選出されています。

そんなセルフプロデュースで自信にあふれた新譜の空気感の一方で、この"November"では、彼の不安や自信のなさが現れています。"take me back to November"というリリックから始まるこの曲には、タイラーの11月に対する強い渇望と哀愁が込められています。ではタイラーにとって11月とは何なのか。調べてみたところ、彼が主催するフェスで2012年以降行われているCamp Flog Gnawが11月の初めに開催されています。(昨年のみ10月末開催)同フェスにはSnoop DoggErykah BaduといったレジェンドらやASAP RockyやFrank Ocean等の同世代の大スターらが出演を果たしており、さらに加えて昨年の同フェスでは初めてチケットを完売させています。このことを考慮に入れると、11月は彼にとって成功体験や達成感と一体のものなんだと考えることができるでしょう。そうした達成感と一体となった11月だからこそ、彼が自信をなくした際の拠り所として、"take me back to November"を歌っているのではないでしょうか。

 

7. Taylor Deupree / November

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タイラーに続いてということでお次はテイラーさんの楽曲を紹介。このTaylor Deupreeは、アンビエントレーベル12Kを率いるサウンドアーティストで、非常に精緻で淀みのない音像が特徴的です。日本との関係でいうと坂本龍一とコラボレーションアルバムをリリースしています。

アンビエントミュージックなので歌詞はありませんが、同曲はアルバム"Northern"のラストトラックとなっており、その冬の世界観が強く感じられます。

 

8. Tom Waits / November

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トムウェイツの"The Black Rider"からの一曲。このアルバムは同名の舞台のために書き下ろされたアルバムで、舞台の内容と相まって、非常に前衛的、アヴァンギャルドな作品となっています。"No prayers for November"や"November's cold chain"といったフレーズから、11月の哀愁さ、寂しさが表現されています。

 

9. Guns N' Roses / November Rain

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恐らく、知名度的にはとびぬけて一番のノーベンバーソングでしょう。名盤"Use Your IllusionⅠ"収録の一曲です。ガンズの中では最長のバラードソング。このミュージックビデオも秀逸で、MTV Video Music Awardで最優秀監督賞を獲得しています。

Novemberフレーズの方は、"In the cold November rain"と冷たい雨の降る時期として描かれています。考えてみれば、12月や1月、2月の寒い日には雨というよりは雪が降るので、"冷たい雨"が降る月として一番適しているのって11月なのかもしれませんね。そんな"冷たい雨"に打たれる男性の孤独な心境が表れている一節です。

 

10. The National / Mr. November

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最後はUSインディーの良心こと"The National"の"Mr. November"。個人的にはザベストオブノーベンバーソングです。本楽曲は、アルバム"Alligator"のラストトラックとなっています。

この曲名にもなっている"Mr. November"ですが、11月はアメリカ大統領選の行われる月を指し、それに"Mr"をつけることで、同選挙に勝つ自信を持たせようとするジョンケリー氏を描いたとされています。ちなみに2004年の大統領選挙でブッシュと対決した同氏は、ブッシュに僅差で敗れていますが。サビの"I'm the new blue blood"の歌詞からは、そんな"blue blood"(裕福な上流階級)であるジョンケリーに対する皮肉とも取れます。

といったように、確かに政治的歌詞といえばそうなのですが、純粋に曲として非常にエモーショナルでポップな良曲なのでぜひ。

  

 ということで、10曲紹介してきましたが、こうやってまとめて記事にしてみると11月に対して親近感が沸いてきたりとかはしませんでしたすいません。ではみなさん、楽しい11月ライフを。