"EDMの象徴"によるファンクへの転回が意味するもの
Disc Review : Calvin Harris / Funk Wav Bounces : Vo.1 (2017)
確かに私は、サマソニにカルヴィンハリスがヘッドライナーとして出演することが決まった時、なんだカルヴィンハリスか。と肩を落とした。昨年コーチェラのトリで出演さえしたが、EDMの時代はもう終わったというのに、と思った。"Ready for the Weekend"は好きだったが、その後の"18 Months"を経て"Summer"による完全に流行りに乗じたEDMへの転向、さらには"This Is What You Came for"でのトロピカルハウスブームへの便乗。なんだか私はこの流行への執着があまり好きになれなかったのだ。しかし、こうした私のカルヴィンハリスに対する認識は間違っていたと認めざるを得ない。全てがこの傑作"Funk Wav Bounces : Vo.1"に帰結した、とするのは少し言い過ぎだろうが、間違いなく、これらはこの傑作への布石であった。